2024年10月12日付「日本経済新聞」の1面に、「LINEに通販機能 利用1億人 アマゾン追う」と題する記事が掲載されました。
2024年度中にもLINEにモール形式のネット通販機能を追加して、利用者の買い物を促進する意向とのことです。
この記事では、LINE通販の仕組み、メリットや決済方法などについて、まとめてみました。
なぜLINE通販機能を導入?―同じ会社のヤフーショッピングが伸び悩み
LINEは私たちが日常的に使っている対話アプリで、10月12日付「日本経済新聞」の記事によると、利用者薄は約1億人もいるとのことです。
日本の人口が約1億2500人(2022年)なので、日本の人口の8割に相当する、すごい数のユーザーがいるわけです。
ところで、これまでLINEが直接に通販機能を導入するという考え方に疑問があったのは、LINEの運営会社は「LINEヤフー」で、既に大規模ECサイト(通販サイト)の「ヤフーショッピング」(Yahoo!ショッピング)を運営しているからでした。
しかし、今回の記事によると、「ヤフーショッピング」は既に成長が鈍っていて、1億人のLINEユーザーを直接買い物に導いて、アマゾン(Amazon)や楽天市場に対抗したい、との意向です。
モール型の通販、幅広い商品を取り扱う意向
では、LINEに付加される通販機能は、どんなショッピングサイトになるのでしょうか。
日経新聞の記事によると、LINEは自社の在庫は持たず、各事業者がサイト上に出店して配送まで行うモール型となる予定です。
つまり、「ヤフーショッピング」、楽天市場、アマゾン・マーケットプレイスと同じイメージです。
LINEのECモールは、雑貨や食品など、幅広い商品を取りそろえる意向とのことです。
販売業者は、儲かると思えば、出店しに来るでしょう。それが商売の世界ですから。既に「ヤフーショッピング」に出店している販売業者が、LINEの通販モールにも出店する可能性も、十分あるでしょう。
一方、ユーザーが、新設のショッピング専用のLINEアカウントを、「友達」登録すると、おすすめ商品を直接提案してもらえるようになります。
旬の食べ物の提案はもちろん、専門スタッフがトレンドを分析して、おすすめ商品を提案する方針とのことです。何だか毎日沢山の提案が来そうですね…。
LINE通販のメリットは? ヤフーショッピングとの違いは?
では、LINEに直接ショッピング機能が導入されるとなると、ユーザーにとってのメリットや「ヤフーショッピング」との違いは何なのでしょう。
LINEユーザーにとってのメリットは、アクセスの容易さです。これが「ヤフーショッピング」との違いでもあります。
「ヤフーショッピング」を利用するには、ブラウザを立ち上げて、「ヤフーショッピング」のサイトにアクセスしなければなりません。
しかし、日常的にLINEを使っている人にとっては、トップ画面の「ホーム」や「トーク」のボタンと同じ並びに「ショッピング」があれば、簡単にショッピングのサイトにアクセスできます。とても便利になります。
LINE通販の決済方法は?
一方、「ヤフーショッピング」との違いとして要注意なのは、決済方法がやや違う、おそらく限定的になる可能性です。
日経新聞の記事によると、スマートフォン決済のPayPayなどで支払うことが、想定されています。現時点(2024年10月12日時点)では、それ以上の記述はありません。
PayPayはソフトバンクとLINEヤフーの合弁会社のQRコード決済サービスですので、要は、LINEの自社決済サービスです。
決済方法がPayPayだけということではないものの、「ヤフーショッピング」、楽天市場、アマゾン・マーケットプレイスの出店サイトと同じ幅広い決済手段があるかどうかは、まだ分かりません。
ただ、LINEのショッピング機能が導入されて大人気となれば、利用者の便宜を図るための変更は、後からついて来るはずです。それが商売繁盛の基本ですので。
競争促進、ユーザーの選択肢・利便性は向上
まとめると、LINEの通販機能の導入は、ECサイトの競争が促進され、ショッピングの利便性と選択肢が増える点で、LINEユーザーにはプラスになると思われます。
なお、LINE通販モールに顧客を奪われる業者や大手ECサイトのアフィリエイトには厳しい話になる場合もありますが、経済は生き物で、どんどん変わっていくので、対応するしかありません。