米メタ(Meta)社が2024年9月17日に、運営するインスタグラムの18歳未満(13~17歳)の利用者の、制限強化を発表しました。
米国では60日以内に、日本を含む全世界で2025年1月から移行作業が始まります。
未成年の犯罪被害防止の一助となるのは大歓迎ですが、芸能人予備軍の子たちなどは、困るかもしれませんね。
また、他のSNSも足並みを揃えるべきではないでしょうか。
インスタグラムの13~17歳の利用制限強化
インスタグラムの13歳未満の利用は不可です。このため、今回の未成年の利用制限の強化は、13~17歳が対象になります。
具体的には、以下の制限強化が実施されます(2024年9月18日配信の読売新聞の記事、および毎日新聞の記事を参照)。
・アカウントは初期設定から非公開、既存アカウントは非公開のティーン・アカウントに自動移行
・承認したフォロワーのみ閲覧可能
・メッセージは、既に繋がっている人かフォローを認めた相手からのみ受け取り可能
・性的画像、暴力的表現、美容整形など不適切な投稿の表示も自動的に制限
・1日あたりの利用時間が1時間を超えると、利用中止を促す通知
・午後10時~午前7時はスリープモードで、メッセージが通知されない
・16歳未満の利用者は、制限設定解除に保護者の許可が必要
・保護者は子どもが過去7日間メッセージのやりとりをした相手の把握や、子どもの利用時間制限設定が可能
未成年の犯罪被害の抑止効果が期待できる
メタ社がこうした未成年のインスタグラムの利用制限強化に踏み切ったのは、米国で未成年がSNSを通じて知らない大人とつながって、性的搾取などの被害に遭う事件が社会問題化しているからです。
もちろん、そのような未成年の被害は日本でも多発しています。
学校で情報の授業などで、SNSを中心としたネット利用の注意点は教わっていますが、そもそも子どもが簡単に大人とSNSでつながることができる限り、被害はなくなりません。
辻希美16歳長女のような芸能人予備軍は困る?
一方、18歳未満のインスタグラム利用制限のニュースを見て、私が思い出したのは、元モーニング娘のタレントの辻希美さん(37)の長女で、高校2年生の希空(のあ)さん(16)のことでした。
希空さんは9月19日までに自身のTikTokのアカウントに、サングラス姿の初投稿をしました。
それに先立ち、希空さんは自身のインスタグラムのストーリーズで、「TikTok始めました 是非フォローお願いします」とPRしていました(日刊スポーツの2024年9月19日配信の記事)。
つまり、16歳の希空さんはインスタグラムのアカウントを持っているので、18歳未満の利用制限に引っかかってしまい、来年に非公開のティーン・アカウントに移行されます。
しかし幸い、希空さんの場合は、既に16歳なので、制限緩和の変更を、親御さんの許可なく行えます。
ただ、希空さんのように、芸能の仕事に興味を持っている18歳未満の芸能人予備軍、特に16歳未満の子たちには、インスタグラムの利用制限強化は、残念な措置かもしれませんね。
他のSNSと足並みが揃わないとあまり意味がない可能性
インスタグラムの18歳未満の利用制限強化は、未成年が犯罪に巻き込まれることへの1つの抑止力としては期待できます。
しかし、他のSNSと足並みが揃わなければ、悪い大人は他の規制が緩いSNSに流れるだけでしょう。
インスタグラムを運営しているメタ社はフェイスブックも運営しており、もちろんフェイスブックにも同様の制限をします。
ですが、フェイスブックの個人利用には、本名での登録が必要ですので、そもそも悪いことを企んでいる大人も、匿名で投稿したい未成年も、基本的に利用しません。
一方、匿名投稿が可能なXやTikTokも、今までのインスタグラムと同様に、13歳未満は利用できません。
ただ、18歳未満のユーザーにセンシティブなコンテンツの閲覧の制限はありますが、今後インスタグラムのような18歳未満の自動的な利用制限を導入するかどうかは、不明です。