2024年大晦日の「第75回NHK紅白歌合戦」の司会が10月11日に発表され、2年連続のタレント・有吉弘行さん(50)、3年連続の俳優の橋本環奈さん(25)、初となる俳優の伊藤沙莉さん(30)および鈴木奈穂子アナ(42)の4人に決定しました。
有吉弘行さんと橋本環奈さんは、人気と前回のMCの好評ぶりから、再登板は大方の予想通りです。
では、伊藤沙莉さんと鈴木奈穂子アナは、なぜ「紅白」のMCに起用されたのでしょう。
『NHK紅白歌合戦』は朝ドラPRという任務も負う→まずは『おむすび』ヒロイン橋本環の起用
橋本環奈さんは、過去2年間の「紅白歌合戦」で、明るくて喋り上手でMCにもってこいなだけでなく、歌もダンスも上手にできる多才ぶりなので、いろんな企画にも参加して、視聴者から大好評でした。
しかも、橋本環奈さんは、現在放送中の連続テレビ小説(朝ドラ)「おむすび」で主演しています。
NHKとしては、大人気の橋本環奈さんを高視聴率の「紅白歌合戦」のMCに据えることで、「おむすび」のPRをする絶好の機会とすることができます。
伊藤沙莉と橋本環奈は親しみやすく魅力的、しかも“紅白史上初”の朝ドラ前期・後期の主人公コンビ
伊藤沙莉さんは、テレビドラマや映画、舞台などで幅広く活躍しており、特にコミカルな役柄に定評があります。
視聴者に親しみやすいキャラクターを演じることもできますので、老若男女が観る「紅白歌合戦」のような大舞台での司会にぴったりと言えそうです。
しかも、伊藤沙莉さんは、2024年前期の連続テレビ小説「虎に翼」で主演を務めましたので、文句なしに「紅白歌合戦」の司会に起用されたものと思われます。
NHKによると、実は、朝ドラの前期と後期の主人公がともに司会を務めるのは、“紅白史上初”のことだそうです。
前年の「紅白歌合戦」には、2023年前期の朝ドラ「らんまん」のヒロインを務めた浜辺美波さんがMCの1人に起用されましたが、「らんまん」の主演は神木隆之介さんでした。
朝ドラにあまり関心のない視聴者にとっては、“紅白史上初”と言われても、ドッチラケかもしれません。
しかし、NHK、特にNHKのドラマ担当者にとっては、それこそ「紅白歌合戦」を“朝ドラ祭り”にしてでも、多くの視聴者を朝ドラ「おむすび」に誘導したいはずです。
朝ドラを毎日見ている視聴者は、ほぼ確実に「紅白歌合戦」を観ますので、“朝ドラ祭り”は大歓迎でしょう。
ということで、2024年大晦日の「NHK紅白歌合戦」の目玉演出の一つは、“朝ドラ祭り”で決まり、という予感があります。
もちろん、毎年の「NHK紅白歌合戦」が、朝ドラと大河ドラマに関連した企画を必ず採り入れていて、番宣の場と化していることは、周知の事実です。
おそらく、2025年の大河ドラマ「べらぼう」の主演の横浜流星さんが、ゲスト審査員として出演すると思われます。
鈴木奈穂子アナの経歴は―豊かな経験と実力
鈴木奈穂子アナは、横浜出身で、法政大学卒で2004年入局です。NHKの看板アナウンサーとして長年の経験を持っています。
鈴木奈穂子アナがこれまでに主に担当した番組は、「おはよう日本」「ニュースウォッチ9」「ニュース7」「あさイチ」などで、生放送の報道・情報系番組担当の印象が強いですが、バラエティー番組も経験しています。
安定感のある鈴木奈穂子アナは、生放送の大舞台となる「紅白歌合戦」でも、時間管理バッチリで、冷静かつ柔軟な進行役を、務めてくれそうですね。
また、鈴木奈穂子アナは、前年の「紅白歌合戦」では、お笑い芸人トリオのパンサーと共に、副音声での実況トーク「紅白裏トークチャンネル」を担当していましたので、「紅白」慣れしています。
この4人の司会だけで視聴率アップは見込めそう?
今年の『紅白歌合戦』のこの4人、つまり有吉弘行さん、橋本環奈さん、伊藤沙莉さん、鈴木奈穂子アナの司会者は、それぞれの個性を発揮することで、化学反応が期待できます。
しかし、司会者が良いだけで、視聴率が前年よりアップしそうでしょうか。
私の個人的な意見ですが、司会者起用を間違えると、視聴率低下の要因になりかねませんが、今回の4人、特に有吉弘行さん、橋本環奈さん、伊藤沙莉さんに関しては、視聴率が低下すると心配すべき理由はないと思います。
しかし、司会者が好感されるだけで、番組の視聴率が上がるなどという、甘い世界ではないでしょう。
たとえば、どうせ橋本環奈さんに朝ドラ「おむすび」をPRさせるのであれば、「おむすび」の主題歌の「イルミネーション」を歌っているB’zも、「紅白」のステージに引っ張り出す必要があると思われます。
朝ドラのファンの主婦層や中高年は“朝ドラ祭り”で「紅白」に呼び込めます。
そこで、B’zに出演してもらうことで、少なくともB’zが出る時間帯に関しては、青春期をB’zとともに過ごしたお父さん世代も、呼び込める可能性が高くなります。
やはり、視聴率が見込める人気アーティストを揃えて、良い企画を適度な尺で採り入れることが、視聴率アップに不可欠と思われます。
旧ジャニーズ勢の起用再開も、視聴率のアップを保証するものではありませんが、少なくとも下落を食い止めることは、期待できると思われます。ただし、1つの事務所から沢山のグループを出し過ぎないことが大事です。