STARTO ENTERTAINMENTの大人気アイドルグループ・Snow Manの、ニューアルバム「RAYS」のプロモーションのティザー映像に、歴史的事象に対する配慮に欠ける部分があり、中国のネットユーザーからの批判を受けて、レーベルが同映像の公開を停止しました。
映像公開停止!←プロモーション映像の刀に戦時中の中国侵略責任者の名前
Snow Manが2024年10月30日(水)に発売する4thフルアルバム「RAYS」(読み: レイズ)のプロモーション映像としての「“songs on RAYS” TEASER」が、10月16日にYouTubeのSnow Manチャンネルに公開されました。
ところが、収録曲「KATANA」の映像で、刀に「岡村寧次」という軍人の名前が刻まれているのが、ほんの一瞬だけですが、映像に登場していました。
多くの日本のSnow Manのファンが気づかなかったくらい、短い場面でした。映像を一時停止して凝視しなければ、何が刻まれているか、分からずに通り過ぎた人が多かったと思われます。
もし、「岡村寧次」と刻まれていることに気づいたとしても、日本のファンの中には、この名前を知らない人も多かったと思われます。
現に、私はこの名前に心当たりがありませんでした。高校時代に日本史の授業を取っていなかったので、戦時中の詳しいことを学ぶ機会がなかったのです。
しかし、そこに刻まれているのが「岡村寧次」の名前だと気づいた中国のSnow Manファン、あるいはより広範な中国のネットユーザーは、見過ごすことはできませんでした。
というのも、「岡村寧次」という軍人は、太平洋戦争の時に、支那派遣軍司令官を務めていて、まさに中国侵略の総指揮をとっていた人物だったのです。
そのような人物の名前が、まさかの刀に刻まれているのを見た中国のネットユーザーから、SNSを中心に批判の声が上がるのは、致し方ありませんでした。
Snow Man運営が迅速に対応―日本語と中国語で謝罪文、映像は公開停止に
SNSが荒れてきたため、Snow Manの運営も問題に気づきました。そこからの対応は、幸いなことに、迅速でした。
プロモーション映像「“songs on RAYS” TEASER」が公開された翌日の10月17日に、Snow Manの運営は、レーベルのMENT RECORDINGの公式サイトに、日本語と中国語で謝罪文を掲載し、そのプロモーション映像の公開を停止しました。
日本語の謝罪コメントの主な部分は以下の通りです。
「210月16日にSnow Man YouTube Channelにて公開いたしましたプロモーション映像『“songs on RAYS” TEASER』について、所属レーベルであるMENT RECORDINGが制作いたしましたが、映像内において歴史的事象に対する配慮に欠ける部分が含まれておりましたため、公開を停止いたしました」
「当社における公開前の確認が不十分であったため、不快な思いをされた方及び映像を他音染みにされている皆様に深くお詫び申し上げます」
中国語訳を併記したことは、大正解だったと思われます。
私はK-POPファンでもあるので、時折ふとしたことがきかっけで歴史問題が持ち上がるのを、何度か見てきました。
歴史問題というのは、SNSで騒ぎが始まったら、すぐに対応策をとらないと、どんどん騒ぎが大きくなっていきます。
ファン以外のネットユーザーが参戦するのはもちろん、現地のメディアなどにも取り上げられて、さらに大騒ぎになりかねません。
また、謝罪コメントの中でも「所属レーベルであるMENT RECORDINGが制作いたしました」と、責任の所在を明らかにしていますが、SNSが荒れると、批判の矛先がSnow Manに向かうようになりかねません。
このため、早めにしっかりと問題を解決しておかないと、将来のSnow Manの海外進出に大きな悪影響となる可能性もあります。
プロモーション映像は一部修正後に再度公開予定
謝罪文の最後で、運営は問題の「“songs on RAYS” TEASER」について、「一部表現を修正のうえ改めて公開」と述べています。これにはほっとしました。
刀に「岡村寧次」の名前が刻まれている短いシーン以外は、問題はないということのようです。
ティザー映像が修正後に観られるのは、ファンには朗報です。くれぐれも、運営には他の箇所は何も問題がないことを、しっかり確認してから、修正済みの映像を公開し直していただきたいですね。